こんにちは。オフィス謝府礼の阿部です。
経営分析(一部財務分析を含む)を行うにあたって抽出すべき事項は業態により異なるものの、運営主体の目的に照らし合わせて必要な項目を抽出・分析し、目標の設定及び目的達成の道標とします。このとき、視点はいくつかありますが“行動”に移せる内容であること中心におくと良いと思います。
▽医療・介護の社会的目的と企業的目的
医療は地域住民の豊かな生活を守り、介護は住み慣れた地域で暮らすための支えです。医療、介護の社会的目的はその質をあげ、質の高い医療・介護を提供し続けることにあります。この社会的目的を果たすために、どのような運営が必要か。付加価値としての社会的目的の前に、企業的目的が達成されることが前提ではありますが、これらの目的目標を達成するためにも、現状分析を行い、目標設定を行うことが有効です。
医療でいえば、例えば地域における自院の役割を果たすこと。背景は地域により異なりますが、自院のポジションを明確にし目標を設定する。目標達成のためには職員の技術技能を向上させ、かつ縦横無尽に力を発揮できるように責任や権限を見直す。こうした取り組みの先にスタッフ一人ひとりの質が向上すれば、結果として医療の質を高め、生産性を向上させることに繋がります。
▽どうやる?経営分析
さて、経営分析ですが、基本的視点として次の事を把握することが有益です。
①自院が診るべき患者はどれだけ増加したか
②どうすれば増患できるのか
③自院で行うべき医療はどれだけ行われたか
④無駄をなくし必要十分な医療を行うための行動がとれているか
①~④について具体的にいうと、
①であれば、来院経路の弱点はどこか。新患数は増加しているか。自院が診るべき入院患者は増加しているか(急性期であれば手術件数等)等を分析することになります。
②でいえば、連携をどう上手く行うべきか。戦略は十分か。クレームや事故への対応を怠っていないか。接遇は患者のニーズに応えているか等をチェックいます。
③であれば、自院の強み(診療科や治療含む)はどこかを分析し、これらが十分に管理されているかを確認します。
④はコスト削減や教育、そして業務を標準化しタイムマネジメントやリーダーシップに間違いがないかを分析する。
上記は一例ですが、これら把握すべき事項を網羅した指標を作成し、現状課題解決を後押しするためのツールとしていくことが有益です。