先日、地域一般病棟入院料3と療養病棟入院料1を届出されているご支援先の管理栄養士の方から、
24年度の診療報酬改定で新設された「栄養情報連携料(B011-6)」について質問を受けました。
Oさん(仮称)の認識では、「食事を食べている(経口摂取している)患者の栄養情報を提供した場合に算定ができ、
経管栄養の患者さんなどについては算定はできないと思っていた」、というものでした。
新設項目だけに受け取り方もいろいろありますが、このときの回答を参考までに掲載しておきたいと思います。
細かな通知については、診療点数早見表などをご確認ください。
▼「経口摂取していなければならない記載はない」
通知をサマライズすると、おもに下記のことがあげられます。
– [ ] 対象は(B001-10)入院栄養食事指導料を算定した患者。
– [ ] 対象者について、退院後の栄養管理に関する指導内容や入院中の栄養情報を文書で説明し、それを他施設の医師または管理栄養士に提供・共有した場合に算定できる。
– [ ] 算定回数は入院中に1回限り。
– [ ] 患者または家族の同意を得て、文書により他施設の管理栄養士に情報提供・共有すること。
– [ ] 「退院時共同指導料2」(B005)との併算定は不可。
– [ ] なお注2として、B001-10入院栄養食事指導料は算定していないが、栄養管理計画の策定がある者についてはOKとされている。また、この 注2により算定をした場合は、同意取得後、他施設の管理栄養士に対し、対面や電話・ビデオ通話等で説明・共有を行うことが要件。
– [ ] 文書による情報提供は様式12の5またはこれに準ずる様式を用いて、「必要栄養量、摂取栄養量、食事形態(嚥下食コードを含む。)、禁止食品、栄養管理に係る経過等」について提供すること。
留意事項としては、
– [ ] 情報提供先が特別な関係にある機関(例:系列施設など)の場合は算定不可。
– [ ] 情報提供時には、文書の交付および診療録への写しの添付が必要。
などといったところでしょか。
これかのことから、
『経管栄養の方においても必要・摂取栄養量などといった栄養管理がされていれば算定は可能と認識している】、
ことを質問いただいた管理栄養士の方に回答しました。
注意したいのは- [ ] 6番目のところ。
入院栄養食事指導料は算定していなくても、栄養管理計画の策定がある者の場合もOKではありますが、
この場合他施設の管理栄養士に対し、対面やオンラインなどで説明・共有が必要とされていることでしょうか。
当該管理栄養士の方は、あまりZoomには慣れていないということでしたが、
今後はこうした面を考慮しても必須と思われることから、
こちらの病院の事務長へ管理栄養士さんのPCへZoomの設定をお願いしたところでした。
ちなみにこの管理栄養士の方がご自身の解釈に疑問をもったきっかけは、
感染対策で連携している病院の方とのコミュニケーションに端を発しており、
積極的にコミュニケーションをとることの重要性をあらためて認識させられました。
注:本記事の解釈はあくまで筆者によるものであり、必ずしも公的見解に沿ったものではないことをご了承ください。
投稿日:2025年7月2日