高齢になっても住み慣れた街で暮らしていくことができるように、医療・介護をはじめとした地域の社会資源が連携して高齢者の生活を支援していこう、という理念のもと取り組みが進められている地域包括ケアシステム。

 

一方で、少子高齢化による医療需要の変化に対応するために進められている、病院の機能分化。医療機関や介護事業所を巡る環境は変化の波のただ中にあります。大きな力をもった医療法人や介護事業者ではない限り、地域のなかで単独で生き残っていくことは、もはや不可能といっても言い過ぎではないかもしれません。

 

病院同士の病病連携、病院と診療所による病診連携、医療と介護間における医介連携。

 

こうした連携の重要性は以前から言われていますが、実際の取り組み具合には医療機関間で大きな隔たりがあるように感じています。在宅医療一つをとっても、連携型の機能強化型医療機関であっても、その連携は診療報酬上の点数を優位にするための連携であり、お互いの負担を軽減するための取組みは十分ではなかったり、ケアマネージャーさんのなかには、医師との間に敷居の高さを感じている人がまだ大勢います。

 

新興感染症の世界的な拡大が人々の交流を遮断させたことは、私たち一人ひとりの関係の在り方を再考する契機にもなりました。ICTで繋がれる便利な環境ができた一方、やはり実際に同じ空間で過ごすことで得られる安心感や信頼感のようなものが醸成される感覚はネット空間の便利さを超えるものがあります。

 

靴底を減らして歩き、出向き、会話を重ねるという基本的行動は疎かにできません。基本的行動の土台のうえに、連携活動は成り立つという理解です。

 

オフィス謝府礼は医療機関の地域連携活動を応援しています。医療と介護の連携の橋渡しにもお役立てください。