会話に数字を加える効果

先日、ある会社の若手のスタッフさんと一緒に車で移動する機会がありました。

私がハンドルを握り、彼が助手席でナビゲーションをしてくれることになったときの話。

「まだまだずっと真っすぐですね」

「もう少ししたら右です。」

「あの辺の信号左です」

といった会話が続いていました。

 

こうした会話、会議の場面でもよくあるのではないでしょうか。

「今月は先月に比べて相談件数がだいぶ減った..」

「去年よりもずいぶん利益が減った…」

「ベースアップ評価料、病院は結構とってるみたいだけど、診療所はあまりとっていないようだよ..」

・・・どのシーンも言いたいことは分かるのですが、なんだかモヤっとしていませんか?

 

 

▼数字を加える効果

「まだ1km以上まっすくですね」

「あと300mくらいしたら右です」

「見えてる3つ目の信号左です」

冒頭の会話。こんな風にナビしてくれたらどうでしょうか。

 

こちらも初めてハンドルを握る道。ましてや交通量が多かったりすると少なからず不安にもなるものですが、数字を言ってくれることで心の準備ができるようにも思いますし、なにより1kmや300mといった数字を加えてくれたことで、(距離感の肌感覚という問題はありますが)認識を共有できるように思います。

 

会議のシーンの会話も、

「今月は先月に比べて相談件数が30件減った」

「去年よりも5%利益が減った(去年よりも50万円利益が減った)」

「ベースアップ評価料、病院は8割方届け出ているようだけど、診療所は3割に満たないようだよ」

・・・こんな風に数値を加えると、認識の齟齬を防ぎより具体的に共有できるのではないでしょうか。

 

 

思えば、冒頭のような会話はどこか日本人的なのかもしれません。

同じ歴史・文化的背景で育った似た者同士の会話であれば、「だいぶ」や「かなり」といた品詞を多用しても多少の曖昧さを許容しながらも会話は進んでいくのかもしれません。

あるいは、会話をリードしている人が自分の価値観でもって話をしている、ある種の傲慢さが潜んでいるのかもしれません。

こうした会話はどこにでもみられますし、ある種平和的でもありますが、”相手に伝える”を意識した場合には避けることが賢明でしょう。初対面の相手であればなおさらのこと。

少しの意識が、私たちの会話をより良いものにしてくれるのだと理解しています。

 

投稿日:2025年6月16日

 

 

 

 

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