こんにちは。オフィス謝府礼の阿部です。
病院や診療所で査定や返戻の管理をしているのは、医療事務のスタッフというところが多いと思います。しかし、医療事務ほど医療機関の間で役割に差がある職業もないのではないかと感じることがあります。今回のBlogは、私も過去の病院で経験したことがある医療事務という職種について思うことを書いてみたいと思います。
▽病院組織と医療事務
病院は、医師をトップに看護部、薬剤部、コメディカルが治療計画を執行し、医療事務がこれら診療行為を診療報酬請求として取りまとめ、審査支払機関へ請求することで診療報酬を得ています。
電子カルテが普及した現在では、診察や投薬指示、処置やリハビリといった診療行為はその場で入力され会計やレセプトへと反映されるなかで、医療事務としての役割はカルテを見て医学管理や指導料、あるいは加算の算定漏れがないかといったことを総括する役割になっていると認識しています。
このように総括管理する役割が重くなってきている一方で、働き方や働く側の意識は旧態依然としていることも多く、新しい知識の取得に貪欲である姿勢は病院の他の資格職に比べて低いように感じてしまうことも多くあります。
医療事務職の特徴には次のようなことが挙げられます。
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資格をとったら更新なくずっと働ける(資格がなくても働ける)。
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自院の診療科が変らない限り基本的に算定する項目はルーティンで同じ。
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診療報酬の改定はあるがベンダーが支給するソフトを更新すれば多くのことは事足りる。
このような、ある種流れ作業のような状況にあることが、働く側の意識の向上に見えない限界をかけてしまっているように感じます。一方で、伸びる医療事務スタッフをみていると、次のような点に気づくことがあります。
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処置や治療の現場に興味をもち、実際に現場を見るよう心掛けている。
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どのような器材や材料、薬剤が使われているのか、実際に現物を見るよう心掛けている。
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分からないことがあれば書籍類を調べるだけでなく、審査機関や地方厚生局に自ら問合せする手間を惜しまない。
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なにより、現場とのコミュニケーションを心掛けている。
このようなことは、とくべつ医療事務という仕事に限ったことではないのかもしれません。組織のなかにこうした素地をつくっていくことが、大切なポイントなのだと考えています。