標準化と明文化 ~画一化との違い~

こんにちは。オフィス謝府礼の阿部です。

生産性の向上というテーマを課題に持つ組織が多くあると思いますが、鍵の一つに業務の「標準化」があります。

標準化とは、自由に放置しておくと多様化・複雑化・無秩序化してしまうようなものやコトを「単純化」あるいは「秩序化」することをいいますが、ここで注意したいのは「標準化=画一化」ではないということ。

画一化というのは、型にはまった単なるスケジュールだったり、ガイドに沿ったことを粛々と行っているようなことを言いますが、標準化は「こういう場合はこうする」や「こうなった場合はこうする」といったように、その状態の変化に応じた対応が一定の範囲で統一化されていることを言います。このとき、標準化の助けになるのが明文化であり、明文化とは文字通り内容や物事を文章により明確に書き表すことをいっています。

 

 

 

▽標準化、明文化の効用

例えば診療報酬を例にあげれば、基本診療料や特掲診療料に区分分けされたそれぞれの事例が明文化されていことで、素早く目的とする診療行為の請求がどれに該当するかを探していくことができます。普段の仕事のなかの多くの領域で標準化や明文化を意識しておくことで、生産性を上げることが可能になります。

ここで、業務の標準化においてマニュアルは重要な役割を果たし、院内におけるルール等を明文化しておくことは、判断に迷ったときの拠り所となります。明文化する領域は、就業規則や賃金規程といった法令遵守のために必要なことに加え、職務分掌や権限規程を整備しておくことも有効です。

また、先にあげた診療報酬は2年に1回改定されますが、この改定時において、どの部署が改定内容を取りまとめ、院内へ発信・周知していくのかといったことや、基準や加算のアップを誰が提案し、決済するのかといったルールや役割を明文化しておくことは、職務の領域と責任を明確にします。

 

▽持続できる活力ある組織とは

診療報酬を例に挙げたので、その中心的役割である医療事務という仕事についてみてみると、医事課が単なる受付の延長と化し金銭の収受係になっているもったいない医療機関もあれば、能動的に動き「現状から鑑みて○○の加算がとれるのではないか」、「△△の要件を満たしていないから、医師にカルテ記載をちゃんとしてもらおう」と積極的に働きかけている医療機関があります。

「うちの医事課は何もしない」ではなく、『医事課にはこういう役割がある』ということを職務分掌において明文化し、採用や面談にあたり、「当院の医事課ではこのような役割をもって働いてもらう」ことをしっかりと告げること、そして基本業務のマニュアルがあり、仕事の内容が属人的な職人技にならず、標準化されていることが重要です。

業務を標準化していくこと、また各部署の業務範囲を明確にし明文化ていくことは、持続的な活力ある組織づくりの第一歩だと認識しています。

 

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