攻守について

こんにちは。オフィス謝府礼の阿部です。

仕事に限った話ではありませんが、どのようなことであっても、「攻めるときと守るとき」があり、このタイミングを間違えると良い結果を望むことができません。例えば診療所でいえば、患者さんが外来で溢れているときに無暗な増患対策をうつのは自殺行為ですし、受療率が低下し患者さんが激減しているのに、一時的だと高をくくっていれば、のちに自滅の道を歩くことにもなりかねません。

外来に患者さんが溢れているから安心、あるいは今は一時的な問題だろうから動く必要はない、と表面的な事象に捉われず、なぜ今のような状況になっているかを考えること、根拠をもって考えることが大切です。

そもそも、1人当たりの受診回数は減少していますし、入外ともに患者数が10年前と比べて減少していることは、厚労省の病院報告などでも示されています。人口構造の変化、居住系介護施設の増加、在宅医療の進行など背景は様々あり、地域による偏差があるとしても、年金不安や可処分所得の減少、また自己負担の増加などにより、受療を避ける、あるいは減らす、といった受療行動の変容も考えられます。

したがって、レセプト請求で後期高齢が多い等の高齢者が多い診療所では、現在患者が多いとしても、患者は減っていく可能性があり、今のうちから患者層を広げていくための戦略を練っていくことや、多様な診療を行うことを考える必要があります。

高い専門性を有しているところは比較的こうした状況からは外れているとしても、長い目で見れば一般診療科と似た傾向にあることは人口構成の変動などからも推定されます。

いずれにしても、単眼的にみて今が順調であっても、守るだけではなく、攻めるところは攻めていくという姿勢も必要だということに気づかなければなりません。

 

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