こんにちは。オフィス謝府礼の阿部です。
先日、医事課のスタッフを派遣する会社の役員の方と話しをする機会がありました。規模の大きな病院では一部の医事業務をアウトソーシングしているところも多いですが、「コロナ禍で不景気の足音が忍び寄ってはいるものの、当面は需要が落ち込むことはないのではないか」などと話されていました。
ところで、働き方改革の推進にあたり医師事務作業補助者の役割が重要視され加算が手厚くなっていることなどをから、医療事務業務の重要性が増していることが理解できます。「医療事務=受付」という時代はもはや過去のこと。医療事務スタッフはより専門性を増していく存在として機能していかなければなりません。自院の固定された診療科で、なかばルーチン化された報酬項目を算定するといったことだけでなく、自院の収益向上の可能性に貢献していく存在になっていくことが求められます。
▽変化を嫌う心理はどこに…
往々にして人は変化を嫌うものですが、なぜ変化を嫌うのかといえば一つには“不確実性”ということがあげられます。不確実な未来に変化するよりも慣れ親しんだ今のままが良い、という本能のような心理が働くことによるのでしょう。
方針やビジョンを示す重要性がここにあります。不確実な未来に対し、自院の方針やビジョンを示すことで目標を明らかにし、そこへ向かって協働努力し成長していくことを伝え、共に目標へ向かって歩んでいくことができなければ、コロナ禍でますます不確実性が増した未来に残っていくことは厳しくなります。
医療事務スタッフ=受付という視点で見ているかぎり、彼・彼女らの到達点をそれ以上に臨むことはできません。仮に、スタッフのなかにそれ以上を望む人材がいたとしたら、より高いキャリアを求めて飛び出していってしまうことは想像に難くありません。
▽ビジョンの重要性
ビジョン・方針を示し到達点を明確にする、機会を与える。到達点と現状の乖離の要因を把握し改善努力を後押しし、自院スタッフの内製強化をしていくことが重要です。
ちなみに冒頭に紹介した役員さん曰く、「某大手会社から移管された病院へ入ったところ、査定は少ないけど、取り漏れが多かった」とのこと。査定は企業評価に直結するので、安全確実な報酬項目しか算定しない傾向があったようです。内製強化の重要性が理解できます。