こんにちは。オフィス謝府礼の阿部です。
よく「時間を買う」と言いますが、この言葉にはいくつかの使い方があるように思います。今回はそんな、時間の使い方について考えてみたいと思います。
▽時間の買い方のタイプ
「時間を買う」という行為は、おもに次の2つのタイプがあるように思います。
一つ目は、例えば「官公庁に提出する申請に関係する書類作成は専門家に頼み、自分たちはその時間を使って別の仕事に取り組む」といったことや、「お手伝いさんを頼み家事などを代行してもらっている間、自分たちは普段できないことに勤しむ」というような、いわゆる”アウトソーシングによる時間節約型”の時間を買うという行為。
もう一つは、”限られた時間を敢えてゆっくりと使う時間贅沢型”という行為。これは例えば、飛行機や新幹線を使えばより早く目的地に到達できるのに敢えてこうした交通手段を使わずに、寝台車などを使って限りある時間を贅沢に使って目的を達成する行為があてはまるのではないかと思います。後者は効率化を求められる現代では邪道かもしれませんが、私個人としては、後者に魅力を感じてしまいます。
▽経験に学ぶチャンス
ところで、分業化されることが多い最近の流れのなかでは、アウトソーシングは仕事を効率的に行うという視点で重要な考え方だと理解しています。とくに医療機関や介護施設では、既存事業の変更や事業の拡大といった場面で県や市に届け出なければならない申請書類が多く、こうした書類の作成を行政書士をはじめとした専門家に依頼すれば時間を節約することがきます。
しかしチャンスがあれば、上記のような事柄は一度自らTRYしてみることをオススメしたい事項です。
というのも、都道府県には医療機関や介護施設などを管轄する部署は例えば医療政策課という名称であったり、介護保険課という名称であったりと呼称は様々ですが必ず相談窓口が存在しており、基本、行政側は正しい認識のもとで運営を行ってもらいたいと考えているので、比較的丁寧に応対・指導してくれることが多いという印象を経験上持っているからです。
▽忘れがたい出会い
以前、ある県で医療法人の定款変更に関わらせてもらったことがありました。基本スタンスは「当該法人のスタッフさんが書類を作成し、私はその支援をする」というものでしたが、その時の県の担当者がとても素晴らしい方で、手続き上の流れだけでなく、定款の変更案一語一語にまで注意を払ってくれ、「こういう書類は後々残る。誤字や脱字は見栄えも良くないので、ないに越したことはない」と、とても丁寧に対応してくれたことが強く印象に残っています。
当該の申請が終了してしばらく経ってから、今度は他の医療法人の病院管理者変更の件で図々しくもで問い合わせをしたところ、くだんの担当者は快く応対してくれただけでなく、先にあげた言葉「私たちは正しい認識のもとに運営をしてもらいたいと考えているので、質問してもらうのは構いませんよ」という言葉をかけてくれたことを忘れることができません。
▽ おわりに
あいにく、現在この方は異動してしまいどこの課に配属されたかを知る由はないのですが、こうした出会いがあったのも、このときの法人さんが書類作成を経験値を積むため自分たちでやってみようと思い取組み、本来業務からはみれば作業が増えることになるため残業などしなければならなかったものの、このような回り道をしたからこそ、経験できた事柄だと理解しています。
節約型の時間を買うという行為はたしかに効率的でスマートですが、「回り道のなかで見分を広め力を得ていく」というような時間の使い方も、いまの時代にあって良いと考えています。