こんにちは。オフィス謝府礼の阿部です。
病院や診療所・介護施設における情報発信、いわゆる広報活動は従来の紙媒体によるものやSNSなど、様々な形で行われています。今回は、こうした広報活動について少し考えてみたいと思います。
▽医療機関や介護施設における広報の目的
広報活動は医療機関の思いや考え方、方針や現状を病院内外に伝えることを目的に行われ、患者さんやその家族をはじめ、地域住民、連携先、取引先等外部の関係者にも情報開示が行われることが一般的です。内外に広く情報を伝えることで、自院をよく理解してもらうことが運営に有益になるからです。
では、どのようなことを院内報に盛り込めば良いか。ざっと思いつくところでは、次の要素から構成されていることが多いように思います。
① 理事長、院長の挨拶
② イベントの告知または開催後の報告
③ 設備や新規購入機器の紹介
④ 勉強会や委員会活動の紹介
⑤ 各部の紹介
⑥ コラム(最近の話題など)
⑦ 医師職員紹介
⑧ 新入職員紹介
⑨ 編集後記
広報は毎月編集、発行されることが理想ですが、季刊という形をとる病院ももちろんあります。
ただ、広報(パブリックリレーション:Public Relation)という言葉が示すように、広報活動は一方通行の情報発信ではなくコミュニケーションの一部であるということを鑑みると、やはり毎月発行することでより多く人の目に触れる機会をつくることが有効だと考えています。
▽広報誌発行5つのポイント
広報誌の編集にあたってのポイントは次の4つ。
ⅰ.編集はできるだけ多くの職員が関与すること。
ⅱ.外部にでることを想定した情報管理を行うこと。
ⅲ.専門的な内容は分かりやすさを意識すること。
ⅳ.読者にとって役に立つことを意識すること。
また広報誌をどのように配布するかも重要な検討事項です。さらには広報誌を印刷したけれども大量に残ってしまった…というようなことがないようにもしなければなりません。発行部数を管理し実績が溜まってきたところで、紙面に累計発行部数などを掲載するのも一案です。
▽広報誌 もう一つの側面
院内の取組みがいまいち活性化しない…。新しい取組みをはじめた直後は、このような悩みがしばしば発生します。プロジェクトチームを組んでスタートしたものの、頑張っているのはチームメンバーだけで、他のスタッフからの協力は薄い…といったことが多くの医療機関で見受けられます。
歴史を振り返ってみると、広報活動は様々な意味をもって行われてきました。プロパガンダ(政治的意図のある宣伝)は古くから行われてきましたし、こうした活動において広報はとても大きな役割を果たしてきました。
こうして考えてみると、広報活動は自院の取組みを外部的に発信するという役割をもつ一方で、”内部に対しての発信”ということを意図することで、自院のスタッフのまだ目覚めていない意識を刺激する効果を持たせることも期待できます。
他のコミュニケーションツールとあわせて広報誌を有効に活用し、自院の活動を広く内外に知らしめることが有効です。