目標設定4つの視点

 こんにちは。オフィス謝府礼の阿部です。

 先日、目標管理制度導入の準備を進めている病院の外来担当の看護師さんから、目標設定について、ある質問を受けました。

 そこは人口3万人ほどの街にある病院で、主に長期入院を目的とした療養型病院ということもあり、外来患者の数は多い時で1日100人前後。そのため、常勤2~3名と非常勤の看護師さんでメンバーが構成されており、それぞれ業務内容も若干異なるため、目標を立てると言ってもなかなか難しい…ということでした。

 

▽目標設定4つの視点

 組織目標は、組織の方針に沿ってたてるのが通常です。毎年の経営方針や経営目標に沿って、部署ごとの目標を設定します。

 その際、医療機関であれば次のような視点から目標を立てるのが良いと考えています。

1.増患
2.可視化
3.生産性の向上/医療の質の向上
4.単価アップ

 ちなみにその病院では、新年度の目標として「感染対策の徹底」・「職場環境の改善」・「コロナ発生後の運営状況からの回復/改善」という3本の柱の方針が示され、それぞれの柱の目標に付随して2~3の項目が提示されていました。

 

 

▽どうしたら良いか分からないことを分解してみる

 先にあげた看護師さんからの質問に対し、私は次のような回答をしました。

「常勤と非常勤で業務内容が異なっているということですが、それを明文化したもの、例えば職務分掌のようなものはあるんですか? 職務分掌とまではいかなくても、常勤・非常勤の業務内容で違いがあるのであれば、それをまず可視化してみてはいかかでしょう。

 ”可視化”するということも、一つの立派な目標だと思います。この可視化をいつまでに行うのか、どれだけの項目を可視化するのか、といったことをまずは目標としてもよろしいかと思います。」

 

▽サイクル

 物事にはどんなことであれサイクルがあります。昼と夜、四季は私たちにもっとも身近なサイクルですし、幼年期ー少年期ー青年期ー壮年期ー老年期というサイクルのなかで私たちは生きています。そう考えると、なかなか物事は一足飛びには行かないのかもしれません。

 今回の例で言えば、「業務内容が違うから何を目標にして良いか分からない」ということを改善していくことが、結果として職場環境や運営状況の改善に繋がっていく可能性があることは想像に難くありません。

 であれば、”業務内容が違う”ことを可視化すれば、そこからそれぞれの目標を考えることもできるはずです。一足飛びに目標を設定しようとせず、まずは課題となっていることを分解してみる、課題解決のために必要なことを目標にしてみる、ということも有益です。

 くだんの看護師さんは聡明な方なので、すぐに私の意図を理解し納得してくれましたが、真面目な方だけに少し硬く考えていたのかもしれません。

 

 今回の話しを整理すると、
〇目標は経営方針に沿って設定する
〇増患・可視化・生産性の向上・単価アップの4つの視点から方針を眺める
〇いきなり高い目標は設定できない。難しいと思うことがあるのだとすれば、それを解消することが目標となり得る

ということになります。

 

 目標管理制度は、”管理”と”制度”という言葉の響きが良くないかもしれませんが、取り組みが廻り始めその成果がみえてくると面白さが増してくるものなのでおススメしたい取組みの一つです。

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