あけましておめでとうございます。今日は1月1日。2024年という新しい一年がスタートしました。
一昨年の秋、急遽事務所を構えることになってからの一年は、まさにあっという間に過ぎ去っていきました。
幸いにして、22年末からよちよちながらも広い世界に自らの第一歩を踏み出し、1年2ヵ月をどうにか過ごすことができたのも、よいクライアント先の方々との出会いがあったことによるものと、その出会いに感謝しています。
事業開始から2年目となる今年は、漂うようままに身を任せていた日々から、自らの足で歩む一年にしたいと気持ちを新たにしているところです。
さて、今日は新年初日ではありますが、昨年を振り返り今年の糧にすべく、ここにいくつか書き留めておきたいと思います。
▼時間管理
1年を通じて〆切を落とすことはなかったものの、事業を開始してから今日まで、一番気を使ってきたのが時間管理でした。いくつかのプロジェクトが同時に進行していくなかでは、自分の能力を過剰なく見極め、個々の作業にどのくらいの時間が必要かを見積もることが大切です。これができないと時間が冗長的になってしまい、より多くの仕事を受けることができないということも強く感じました。
「これ以上仕事を増やしたくない」というのが勤め人の方の心情かもしれませんが、仕事というのも一つの出会いだと考えれば、より多くの出会いを得るために、より多くのタスクをクリアしていくことが、結果として自らの成長と助けになるのだと理解しています。
▼図書
仕事柄、多くの図書に触れる必要があるのですが、インターネットという情報社会のなかでも、良質な情報を得ることができるのは書籍だと感じることが多い一年でした。情報量という点でも、インターネットはとっかかりとして素早く知りたい情報をくれるものの、真偽も確かめなければならない工程などを考えれば、書店へ赴き本棚でいくつかの本を手に取ることはとても有意義だと感じています。
ただ実務書的なものばかり読んでいても、知識は得ることができたとしても、教養というか、滋養のようなものはつかないと感じることが多いのも事実です。
先日ある先生と食事をした際、休みの日はどのように過ごされているかをお聞きしたら、ほぼ本を読んで過ごしていると話されていました。どんな本かと聞いてみると、カバンからそのとき読んでいた文庫を取り出し、いまは歴史小説からリーダーの在り方を学んでいるとのことでした。
目の前の課題に相対し判断しなければならないとき、どれだけ深く考え、かつ広く引き出しをもっていられるか。こうしたことは小手先の技術ではなく、それまでのその人の蓄積によるものなのかもしれません。今年からは少し、小説や文学の類のものにも触れてみたいと考えています。
▼会計&英語
コンサルティングをするうえで、クライアントの経営状況を把握することはとても重要です。やはり、お金がなければやりたいこともできませんし、ましてや必要な投資もできません。では、どこまでが適切なのかといったことをしるためには、日々の会計の流れを知らなければなりませんし、そのためには財務諸表を読み込む力がないといけません。
当然のことながら、利益の源泉はどこにあるのかということ、そしてどうすればその源泉を充実させることができるかのプランをたて、実行をご支援するのが私たちの仕事だと認識しています。そうした意味でも、会計の知識を今以上につけなければならないことを実感しています。
また、新型コロナが5類に移行し人々の往来が勢いを取り戻してきました。私自身も昨年は4回ほど、海外に行かせてもらう機会がありました。現地ではパートナーたちがすでに日本語を話せることから、その環境に最近は甘え安心してしまっていますが、やはり語学力は必要だということを感じる機会もそれだけ増えてきました。英語に触れる機会を少しでも増やすことも今後の目標の一つです。
▼そして情報発信
昨年は日々の仕事をどうクリアしていくかということに精一杯なあまり、情報発信という点が明らかに疎かになってしまいました。タスクがクリアされたらそれに安心し、しばしの休息を求める自分がいたのも事実です。
いま仕事があるのはとても有難く、嬉しいことではありますが、将来をみると過去の自分がなにをどれだけ積み上げてきたのかによって、そのときのポジションも決まってくるのだと思っています。
そう考えると日々仕事をクリアできたことに安堵していてはダメで、生み出したその時間にできることを、可能な限り詰める作業も必要なことなんだと感じています。そういう意味では、昨年はこの情報発信というタスクについては0点でした。
情報発信力という力も自らに課していきたいと考えています。
▼2024年
今年はどんな年になるのでしょうか。
ここ最近は震災や自然現象による被害だけでなく、感染症の世界的流行、そして戦争すら起こってしまっている不確実な時代になっていることは間違いないようです。
こうした不確実な時代に必要なことは、自らの足で立ってゆくことだと思います。
日本の古典的著作に福沢諭吉が書いた「学問のすすめ」がありますが、明治という、まだ侍の時代から改革が起こったばかりの不安定な時代に、福沢は国が真の意味で独立するためには、その国の国民一人ひとりが独立することが必要と説き、そのためには学問が必要ということで、この本を記しています。
もっとも起業だけが独立を意味しているのではないと理解しています。会社のなかにいたとしても、自らの役割を認識しこれに勤めるだけでなく、自ら仕事を見つけこれを広げるという行為は、その姿勢において立派に独立しているのだと思っています。
新年によせて思うことをつらつらと書いてみました。新しい年。ここまで読み進めてくださった皆さまの一年が、実り多き良い年となりますよう、祈念申し上げます。
2024年1月1日
オフィス謝府礼 代表 阿部 勇司