こんにちは。オフィス謝府礼の阿部です。
最近、「成熟している」という言葉が誉め言葉になるのか最近位置づけに迷うことがあります。成熟という言葉を辞書で引くと、「人間の身体・精神が十分に成長し発達していること、物事をなすに適当な時期になること」とあります。であれば、成熟にも様々なパートや段階があるのではないでしょうか。
確かに日本はアジアの国々と比べてインフラは整備され、社会保障制度は充実し、なにより世界3位のGDP(2020年時点)にあります。それなのに、どこか勢いを感じないのはどういうことなのでしょうか。
▽あるインドネシア青年の行動力
一年ほど前から市民活動に参加して日本に滞在する外国人との交流の機会を多く持っているのですが、最近一番驚いたのは、コロナ禍で愛知県にある工場で仕事が激減したため自らネットで仕事を探し、自分で電話をかけて採用にこぎつけ、スーツケース一つで神奈川の湘南地区に引っ越してきたというインドネシアの青年の話しでした。
私はてっきり、紹介会社のようなエージェントを介して今の会社に就職したものだばかり思っていたのですが、彼らの精神的タフさはそんなものはとうに超え、生活のため、夢のため、異国という異なる環境のなかで自ら考え、動いている逞しい青年たちでした。
もう一人の青年今年の夏、家族を迎えに一度国へ戻り、いまは奥さんと子供とともに暮らし、仕事と日本語の勉強に励んでいます。
▽成熟と勢いの関係
アジアの国々には、シンガポールのように日本の先を行く国もありますがまだ少数派で、多くの国が中所得国という位置づけにあり、アセアン諸国を「成熟した国」と表現する人はいないと思います。しかしそれが勢いと結びついているとするならば、成熟するということはこれを削いでしまうことなのでしょうか。
時間は流れ、様々なものが世代間を繋ぎ受け継がれていきます。悪い時代もあれば、良い時代もある。
親ガチャなんて言葉が一時期流行りましたが、親を選ぶことができないばかりでなく、生まれる場所も時間も選べない私たちにできることといえば、“いまこのときをいきる”ことなのかもしれません。
競争力が落ちているといわれる日本ですが、個人的にはまだ衰退期に入るのは早く、まだまだ盛り上がっていかなければならないのではないかと思っています。