情報取扱い説明書

こんにちは。オフィス謝府礼の阿部です。

情報化社会の現代ですが、実際のところ私たちはどこまで情報を上手く扱えているのでしょう。TV、新聞、ネットとあらゆる領域で情報はあふれています。しかしネット上の情報は玉石混交で、掴む情報を誤れば意思決定そのものに大きな影響を与えてしまいます。

これだけの情報化社会ではありますが、正確な情報処理ができていない人が多くいることは否めません。情報には取扱い説明書がないため、その処理は自らの知識の範囲をでることがなく、どうしても差が生じてしまうことは留意しなければなりません。

 

 

 

▽情報の非対称性

少し前のことですが、クライアント先の発熱外来におけるPCR検査で「検査は無料だと聞いている。お金を払うなんて聞いていない、詐欺だ」というクレームに苦慮したという話しを聞きました。

医療者側からすれば、「検査に掛かる費用は無料。診察に掛かる費用は有料」という組み立てになっていることは理解できていますが、一般の人にこのことを説明してもなかなか納得してもらうことはできないと思われます。

情報の非対称性とは、売り手と買い手(上記の場合はサービスの提供側と受給者側)の間で保有する情報に差があるときの不均衡な状態を言いますが、専門性が濃くなるほどこの傾向は強くなる性質をもっています。

 

 

▽丁寧に説明してくれる専門家は有難い

身近な例でいえば、車検などもこの典型かもしれません。およそ3万の部品から構成される車。自家用車の場合、2年に1回の定期点検整備は法定項目として56項目を点検することが義務付けられ、点検整備記録は自動車に備え付けておくこととされていますが、車好きの人以外、まず普段目にすることはなく、何かあったときにはじめて見る、というのが現実だと思います。

このような場合、やはり「丁寧に説明してくれる専門家」というのは有難い存在です。車検のときに、過去の点検整備記録簿と今回の定期点検までの各部品の消耗具合を比較しながら説明してくれる整備工場には、多少金額は高くても安心して任せることができます。

上記で共通しているのは「説明」、ということになりますが、とくに医療の場合は分かりにくいだけに普段から提供する医療サービスについて知っておいてもらう、ということが大切になります。

院内外のセミナーが多く行われていますが、体のこと、病気のことだけでなく、保険制度のことなどを市民の人に知ってもらうこと。そんな活動も有益だと考えています。

 

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